修理大好きおもちゃのボランティアドクター数年前のことになりますが、ピアノ調律師という修理の技術を生かして半年に1、2回程度西日本リサイクル運動市民の会という組織の中で、おもちゃのボランティアドクターをしていました。(写真はグランメッセ熊本ス−パ−フリ−マ−ケットの会場) 最近のおもちゃは、電子部品がたくさん使われているため、あまりおもしろい修理ではないのですが、たまにゼンマイ仕掛けの車や、ロボットなどがくるとウキウキしてしまいます。これこそおもちゃと思うからです。もちろん木のおもちゃなら言うことないのですが。 物の値段が下がり求めやすくなった反面、物を大切にしなくなった風潮は、おもちゃにも及んでいます。手間のかかる修理を業者がしなくなったせいか、お金を出してまで修理をしなくなった親のせいかは分かりませんが、こんなに壊れたおもちゃがあるとは思えない程よく修理がきます。ここでは、全て無料で修理しているからかも知れませんが…。 上の写真は、おもちゃのピアノの修理です。結局、振動棒が折れていたため折れた棒を取り除くことしかできませんでした。こんな時が私にとって辛いのです。直ったという達成感がないからです。部品を作ることもありますが、この時の振動棒はここでは、作れませんでした。 |
時計1966年イタリアの建築家Gino Valleデザインのsolari udine社のCIFRA3。 おもちゃの病院が開院された福岡国際センターでのフリーマーケットで購入した時計です。 お店の方は落として壊したと言うことで、出品されてました。時計屋さんに修理依頼をしたけど修理不可能で返され、売りに出されてました。 私も購入時修理できるか不安でしたが、値段も思ったより安かったので飾りでもいいかと思い決心しました。 自宅に帰り修理です。何時間も掛りましたがこの手の時計の仕組みもよく解り、完成した時には嬉しくてたまりませんでした。 修理は楽しい! |
カトラリー磨き1958年デザインのフィンランド、ハックマン社製のスプーン。デザイナーはBertel Gardberg。 福岡のショップ、アンタイディーで購入したものです。柄がナイロン製で金属部分はステンレスです。 購入した時は、かなり使用感がありましたが、そこはピアノのペダル磨きで鍛えた技で磨きあげました。 まず、柄と金属部分が外せるものは外してパーツごとに分け耐水ペーパーで800番〜1500番まで位の3種類位のペーパーで磨き後はコンパウンドを付けてバフ磨きでした。 見違えるように綺麗になり満足、満足! |
椅子の修理デンマークのKEVI社の椅子。デザインは、ヨーゲン・ラスムッセン。 現在は、デンマークのフリッツ・ハンセン社が製造しているみたいなのですが、同じ仕様の椅子を造っているかどうかは、わかりません。 緑色にリペイントされた物を購入したのですが、緑色が嫌いだったので白い色にしました。 最初に緑色の塗料を剥がしましたが、剥がしていくうちに、製造時は座、脚共に黒い色だったことがわかりました。 また、友達に聞いたのですが、焼き付け塗装を施しているということでした。 なるほど、脚の塗装を剥がしアルミの素地を出したのですが、塗装が剥がれにくく苦労しました。(因に、サンダーを使用しました。) このタイプの椅子で5本脚のアルミの無垢は製造されたのを知っていましたが、4本脚のアルミの無垢が製造されていたことはわかりません。 椅子のコレクターの永井敬二さんから頂いた数年前の年賀状に同じタイプの4本脚のアルミの無垢の写真があり、大変美しいなと心引かれるものがありましたので、とうとうマネをしてしまいました。 やはり、美しい! (写真の椅子はキャスターを取り付けていません) |
錠の修理古道具屋さんで、あまりにも錠が美しかったので購入しました。 お店の方が、鍵が有りませんので安くしときますから、ということだったのですが、どうしても錠を開けたくなって、家中、それに代わるものを探し廻りました。 以前購入していた和箪笥の引き出しの中に、その当時の物と思われる鍵が2本あったのです。(だいたい、あるのが不思議だ。) そのうちの一本を万力で曲げ、削り、磨いて造り直してみました。一か八か!まぐれか!潤滑油を流し込んだ油まみれのその錠は、開いたのです。 久し振りに中の金属が空気に触れ、思いっきり深呼吸したかのように見えました。 |